デザインの仕事

島に来てから、いくつかデザインのお仕事をいただきました。
場数をそんなに踏んでないので、まだまだ、わからないことだらけで、やりながら新しい技術を覚えたり、感覚を身につけたりしながら、手探りで、取り組んでいました。
大学でデザインを勉強してはいたけれど、仕事に結びつくほどのスキルを身につけられるほど、熱心に勉強していたわけでもありませんでした。
それでもいろいろなものを見たり、聞いたりしながら、デザインというものを通して、社会や、モノの在り方なんかを自分なりに考えてこられたのは、幸いだったなって思います。私の場合、ものの表面的な部分より、ついついその裏側、奥の方にある意図や仕組み、考えかたの方に、目が向いてしまう傾向があり、実際作品をつくるより、考える事のほうが好きな学生でした。

芸術作品であれば、「売る」ということを考えて創作するというのとは、ちょっと違いますよね。(そのような理由で作られた芸術作品なんて、芸術としての本来の価値は全くないと考えます。「自分の名を売るため」といった、名誉欲のために描かれたものも同様です。作品がまったく光らないし、私は好きじゃないなって思います。)

だけどデザインは、基本的に「売るため」に考えます。
パッケージデザインは、その商品に込められた思いなんかをおりまぜながら、いかに商品が魅力的に見せるか考え、店頭で売る(売れる)ということまでしっかり考えて、つくっていきます。
ポスターにしても、パンフレットにしても、その対象について、いかに消費者に興味をもたせ、魅力を伝えられるかにかかっています。ただの文字情報の羅列だけでは伝えきれない、背景、思い、空気感を限られた紙面で表現するのは、とても難しいけれど、それが本当に美しく、かつ、分かりやすく伝えられた時の喜びや、達成感は、とても大きいと思います。

現代はモノやデザインなど、ありとあらゆるものが揃っているけれど、学生の頃は、その移ろいやすくて使い捨て的なものの扱い方、デザインの使われ方が、嫌だなって、思っていました。(それは、今でも思っています。)だから、卒業する頃には、「デザイン」に対して、少し不信感というか、辟易したものも感じていました。見てくればっかり取り繕って、消費者を騙すことだって、デザインには出来てしまうからです。現代の「消費者」と呼ばれる人達は、沢山のモノに接し、沢山のモノに囲まれて生活していますけれど、「本物」に接して、「本物」を知っている人というのは、すごく少ないと思います。
だから、そういったデザイン的(表面的)な見せ方、広告に、簡単にほだされて、騙されやすくなっているかもしれません。

自分は、そんなことのために、デザインはしたくない。自分は、もうデザインからは離れよう。

そう思いました。

だけど、島に来て、偶然たまたま人にデザイン的なことを頼まれることになり、自分が持っているデザインソフトと、それまでに培った、わずかばかりの技術や感覚を駆使して、なんとかそれなりのものを形にし、人に渡すことが出来た時、それを相手がすごく喜んでくださって、自分もそれがすごく嬉しいことだと感じました。

私ぐらいのスキルの持ち主は、世の中に沢山いると思いますし、もっとすごい技術と経験をもったデザイナーだって、都会に行けば山ほどいます。
「プロ」と呼ぶにはおこがましいけど、全くの素人というわけでもない。
だけど、そんな、私ぐらいのささやかなデザインスキルを持ったものでも、こうした田舎に来ると、意外と重宝してもらえて、なんだかよかったなと思うのです。

美術系の学校では、「社会で名が知られること」それだけの「才能」を得ることを無言の内に求められる節があります。

そういったことに対する葛藤が自分の中にあった時、ぱらっと開いた本の中に、こんな言葉が書かれていました。

「他人に打ち勝つ才能はなくとも、周りの人に喜んでもらうことをする才能は、誰もが十分にもっているものです。残念なことに、今まで他人に打ち勝つことばかりを教えこまれ、こうした才能を開花させることを学んで来なかったに過ぎません。自分の才能を自分自身の物質的豊かさのために浪費する生き方をやめて、少しでも多くの人と自分の才能をわかちあう生き方を選択した時、人生は充足感に満ちたものになります。」(幸せを開く7つのチャクラP.35)

幸せを開く7つの扉(チャクラ)幸せを開く7つの扉(チャクラ)
(2005/09)
ロッキー田中、片岡 慎介 他

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この一文を読んだ時、「あぁ。これだ。」と思ったんです。自分が求めてるのはこういう在り方なんじゃないかって。

そして、一時は辟易とすらしていたデザインという仕事ですが、実は自分はこの仕事が、やっぱり結構好きなんだなってことに気が付きました。

自分のささやかながら一生懸命な仕事が、人に喜んでもらえるというのは、本当に何にもまして、嬉しいこと。
その必要があるのなら、自分はこういったささやかな仕事を、ずっと、続けていけたらいいなって、思います。

島に来て、やらせていただいた仕事を少し。
手探りで、お見苦しい部分もあるかもしれませんが、よかったら、ご覧になってくださいね。

島のおみやげ屋さん各店で販売中。ふれあい工房、瀬戸内フィナンシェパッケージ

P3151461 - コピー

P3151431 - コピー

P3151448 - コピー


瀬戸内フィナンシェ ポップ - コピー


島の友人に頼まれた、グループのTシャツデザイン
Ratile boep① - コピー


個人情報なのでこちらにはお載せできませんが、名刺のご依頼もあり、似顔絵入りて作らせていただきました。

パソコン上で見ていたものが実際刷り上がってきた時の感動って、好きだなって思います。
手触りと、インクのツヤ、紙の持つ独特の風合い、質量。
紙とインクの印刷物に対して、とてもマニアックな喜びがあります(笑)
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2014/09/16 (Tue) 23:56 | # | | 編集

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